文庫サイズの小説同人誌ってどんな感じ?

文庫サイズの小説同人誌ってこんな感じ!

文庫サイズとか、新書サイズの小説同人誌をつくるのが好きです。こんばんは。
タイトルで文庫サイズと言いながらいきなりぶれました。このあとは主に文庫サイズの話をします。

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文庫サイズって実際どうなの? というところからいきますが、自室で本棚にさしたときの満足感が半端ないです。
あと、好きな文庫の中表紙の感じとか、目次の感じとかを再現していくととても楽しいです。

文庫サイズを選ぶのは、私の場合は単に文庫サイズが好きだからです。
もちろん印刷代とか、文字数に対する頒布価格のコスパとかを考えると、A5サイズが優れているに決まっているのですが、文庫サイズが好きだから文庫サイズでつくります。そういう記事です。

文庫サイズのページ数・文字数についての雑感

今までにつくった文庫サイズの小説同人誌は3冊です(コピー本除く)。

1冊目

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頒布価格600円/本文60ページ/文字数18577字/フォントサイズ8pt(IPAex明朝)/1ページ42文字×16行

2冊目

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頒布価格1000円/本文164ページ/文字数64536字/フォントサイズ8pt(IWAp明朝オールド)/1ページ42文字×16行

3冊目

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頒布価格1200円/本文134ページ/文字数55532字/フォントサイズ9pt(IWAp明朝オールド)/1ページ35文字×17行

 

1・2冊目は原作が小説のジャンルなのでフォントサイズ小さめ、3冊目はゲームのジャンルなのでフォントサイズ大きめにしましたが、今見比べると小さすぎ&大きすぎな気がするので次つくるなら8.5ptくらいにしたいです。
1・2冊目は小説本セット|印刷通販プリントキング
プリントキングさんの小説本セット(帯無し・カバー付)。
3冊目はSTARBOOKS オンデマンドノベルズ
スターブックスさんのオンデマンドノベルズ(カバー付・箔押し)。
2と3冊目でページ数に対して頒布価格の逆転が起きてるのは箔押しの分です。仕方のないことなんですが若干申し訳なさがあったので、推しイベお疲れさまでした割引としてランボカード呈示で割引にしたりもしました。結構呈示してくださって楽しかったです。

 

ちなみに新書サイズだとこんな感じです。

1冊目

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頒布価格900円/本文88ページ/文字数36293字/フォントサイズ9pt(IPAex明朝)/1ページ22文字×14行×2段

2冊目

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頒布価格700円/本文72ページ/文字数29929字/フォントサイズ9pt(IPAex明朝)/1ページ22文字×14行×2段

 

2冊目は章のはじめをドロップキャップにしています。楽しいですね。
これはどちらもフランス製本セット|印刷通販プリントキング
プリントキングさんのフランス製本セットです。フランス製本は楽しいです。

 

ということで、楽しいばっかり言ってますが、好きな形の本をつくるのは楽しいです。

あと、詳しいページ設定や、表紙のメイキング、二次創作をするときにふんわり思っていることなどの記事もあるのでよかったらどうぞ。

 

wtrdr.hatenablog.com

 

 

wtrdr.hatenablog.com

 

 

wtrdr.hatenablog.com

 


さて、7月の原稿(未着手)もがんばります。わーい。

原作設定と二次創作・書き手の決定権について

 こちらのツイートを先日見かけて本当にそうだなと思って次のように呟きました。

 「自分の好みに合うバランス」というのは話題として挙げられた「原作設定をどこまで細かく拾うか」もそうだし、同時に「原作設定をどう取捨選択するか」でもあります。
その取捨選択の範囲はさらに、「原作世界の時代背景や文化」「キャラの性格や思考過程の解釈」「原作内で直接描かれていないキャラ同士の関係性」などに細分化することもできます。

原作沿いではない現パロや他さまざまなパラレル・パロディを描く場合も、どのように原作設定をその新しい枠組みに翻訳していくかという問題が出てきます。
また、既にファンコミュニティ内に浸透しているパロディ設定がある場合、そこからどうオリジナリティを出していくか、出さないかという選択も、意識してにせよ無意識にせよ、くださなければなりません。

そもそもそうした設定について深くまで踏み入らず、ストーリーの力に重きを置きたい書き手もいます。思いついたストーリーがまずあり、そこにキャラクターを置いていく場合、設定はストーリーに合わせて柔軟に変更されていく場合があります。

ストーリーを重視するか、二次創作で付与された設定を重視するか、あるいはおおもとの原作設定を重視するか、それぞれのバランス感覚は書き手・読み手の数だけあるのでしょう。
ストーリーを面白いと思い、キャラクターの配役を楽しむ人もいれば、原作設定がいかに二次創作中の世界観に活かされているかにわくわくする人もいます。それぞれの要素の好みの配分は人それぞれです。

そもそも書き手にとって書く時間は有限です。原作設定との考証に時間をかけるか、より洗練された文章表現に磨きをかけたいと思うか、ストーリーの説得力を高めるために台詞・心情表現を徹底的にチェックしたいかは、好みと裁量に任される部分です。

一人称が「俺」「おれ」「オレ」のどれか、台詞と本文で「私」と「わたし」が使い分けられていないか、原作の本文では「言う」「云う」「いう」のどれが使われているか、「――」や「……」は表現上どのように処理されているか、そうした文章体裁的な部分にこだわって原作らしい雰囲気を追及する書き手もいれば、キャラにしゃべらせる台詞の息継ぎ、ことばの選び方、そのひとつひとつの響きを重視し、心情表現の比喩ひとつとってもキャラ自身の生い立ちや考え方、趣味嗜好から導き出そうと校正段階でウンウン悩む書き手もいます。

原作という大樹から、色々な形で原作を・キャラを愛するゆえに、個々人による二次創作という枝葉末節が無数に生れてくるのは楽しいことだなと思います。時間と労力を費やした結果、世界に一つだけの自分の好みを詰め込んだ作品が目の前に一つ出来上がるのです。自分の好きは自分が一番知っている。(でも驚きが好きだったりもするので、自分以外が書いた自分の好みドンピシャな作品に出会えた時の幸せは何にも代えがたい)
二次創作は原作を考察したり、もっと世界観に浸っていたいという気持ちが長じて「もしかしてこうだったら」「もしもこんな場合があったら」という発想に走ったときに辿り着くひとつの愛し方なのかなと思います。

好きな作品に・世界観に浸っているのって本当に楽しいです。ときどき理想の形にできたらもっと楽しい。自分以外の誰かが作っていたらわくわくするし、ときにはそれが好みにぴったりのバランスで描かれていて最高の気分になれたりするかもしれません。
自分以外の誰かの好みって、むしろ自分の好みと合っている方が珍しくて奇跡のようなものではないでしょうか。だって全然違う人間だし、二次創作ってほぼアマチュアの手によるものだし、マーケティングなんてしないし、基本的に書き手が自分自身のために書いてるものだから。

だから原作設定という共通認識が定規になるのはわかりますが、だからといってそれが正誤にはならないし、ましてや武器として振り上げられるものではないのでしょう。
共通認識からいかに料理していくかが二次創作なのかなと思います。美味しく料理して美味しく食べたい。もし自分以外にも美味しいと思ってくれるひとがいたら嬉しいことです。(どうかな、と思ったらこっそり味見して、好みでなければそっと立ち去ったらいいのです)

イベントで頒布するときのお金のやりとりだって、書き手が中身のクオリティを保証した商品を買っているわけではなく、あくまで書き手が自分のために書き上げたものを、印刷・イベント参加・頒布するにあたっての費用と手間を、頒布代として折半することで、分けてもらっているという建前があります。

冒頭で引用したツイートを見てから、ゆるゆるとそんなことを考えていました。
自分に無理なく、人に無理と迷惑をかけずに楽しめるのが一番です。
二次創作ってあくまで趣味ですからね。

着地点がふわふわになりましたが、書きたいことはこのくらいです。
ふわふわ。

 

#ぱるのお題箱 文庫本サイズの原稿の設定などについて

先日、お題箱から以下4点についてお尋ねいただいたので、お答えしたいと思います!

●文庫本サイズの原稿の設定

●表紙の作り方

●おすすめのフリー画像サイト

●加工ソフト

 

このうち、以下3点についてはさっとお答えできますので先に書いてしまいますね。

●表紙の作り方

いきなりリンクで申し訳ありませんが、以前書いたこちらの記事を参考にしていただければ! いつもだいたいこんな流れで作っています。

 

wtrdr.hatenablog.com

 ●おすすめのフリー画像サイト

上の表紙作成記事にも書いているんですが、Unsplashさんが大変おすすめです。

unsplash.com

また、こまこまとした枠素材やライン素材のある素材集を一冊持っておくととても便利です。わたしが使ってるのはこちら!

www.amazon.co.jp

●加工ソフト

Photoshop Elements 6.0です。パッケージ版でずっと使っています。廉価版じゃないPhotoshopを使ったらもっと便利なんだろうなあと思いつつ、なんだかんだ間に合っているのでありがたい。

 

というわけで、いざ

●文庫本サイズの原稿の設定

についてざっくり書いていきますね!

まずはワードで用紙サイズを111mm×154mmに設定します。

これはA6(105mm×148mm)に、天地内外タチキリ分3mmずつを足したサイズです。

続いて天と内外の余白を13mmに設定します。綴じ側(ノド)にプラスで5mm。地は16mm。これは市販の文庫などからお気に入りの余白を測って設定してみるといいです。

タチキリ分の3mmをそれぞれ加えるのを忘れずに!

本文フォントはIWAp明朝オールドPlusで9ポイントのフォントサイズにしています。

※上記フォントに課金するまではIPAex明朝を使っておりました

1ページは17行×35文字で組んでいます。これもお気に入りの文庫を参考にするといいかもです。(下記のスクショは6月の本のデータをひらいたものです。直し過ぎてファイル名がえらいこっちゃになってる)

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ざっとこんなところでしょうか。好きな形が決まるまで、好きな版組の文庫本とにらめっこして作ると楽しいです。Wordユーザーからインデザユーザーにランクアップしたい! と夢見ながら今日もWord先生と格闘する日々です。

文庫サイズ同人誌はサイズ感もかわいいですし、本! という感じがしてすごくわくわくしますので、ぜひ楽しく作られてください!

ありがとうございました!

新たな彼方へ踏み出せなかった「ここ」から(正解するカド最終回について)

正解するカドのオープニング「旅詩」がとても好きです。メロディックでいて懐かしいSFの匂いがする、すてきなメインテーマであると思います。

最終回では終盤にこの曲がかかって、「新たな彼方にここから行けるのだろうか」で(行けなかったね…………)って落ち込んで泣いてしまった。悲しいことです。

11話まで見てキレ散らかした記事で、

wtrdr.hatenablog.com

SF的世界観において、人類存亡レベルの話をしているときに前触れなく主要キャラクターの恋愛展開が挟まるとキレてしまうんですが私の心が狭いのかな?

という言葉を書きましたが、あの急速な恋愛展開には一応意味があったんだな…… とわかりたくない事実をわからされた最終回でした。人類と異方のハーフこと、真道と沙羅花の娘たるユキカ(幸花?)が切り札だったんですね。

子どもを作ってそれを使ってザシュニナを驚かせよう、切り札にしよう、花森には16年がんばってもらおうってアイディア、この流れからいくと真道から出た案なのかなと思うけど、双方を満足させる交渉官として優秀なはずである真道から出たにしても、地球と人類の自然な営みが素晴らしい! 派な沙羅花から出たにしても、随分おぞましい着地点に行ったなと思いました。人格変わってない? 大丈夫……?

前半のザシュニナのターンでは異方へ真道を誘うも断られ、強硬手段も自らの願いへの理解が及ぶに至って選べなくなり、「かけがえのない個人」とか「1を1以上として見ることが人類の特異性」とか、なかなかいい線いってるしSFにおける良いエモさじゃないですか…… と視聴者として勝手にとても悦に入っていたんですが、

真道のそれを断る根拠が「生まれ育った世界を愛しているから」ってちょっとあまりにもお前それはなくない? という安易さでがっかりしました。言い訳にしてももっとさ…… 賢そうな言葉が聞きたかったな……

あと断られて強硬手段もやめたのに真道を終わらせたがったザシュニナは、考え始めるとよくわからなくなる行動原理なんですけど、あれはザシュニナが感情を獲得したがゆえの、感じるタイプの行動原理という理解でいいんでしょうか。これ以上齟齬が膨らむ前に完結させたいみたいな……?(もうだいぶ決定的な齟齬だったけど……)

真道に「友だち」って言われたときのザシュニナの微妙な表情が心に残りましたね。あとよっしゃ殴るぞって顔の真道と、気が進まないながらも剣を振りかぶるザシュニナ…… 真道への感情ゆえか、それとも、予測できてたからあれはつまらなかったのかなやっぱり…… いずれにせよかわいそうだな……

一方でそのときの沙羅花は、真道が本当に大事なら見てるだけじゃなくて加勢するべきだし、加勢できるのにしなくてあとで取り返しがつかなくなってから叫ぶヒロインが嫌いなので、あの叫びにはだいぶ冷めました。(それとも沙羅花、やはり人類≒真道に対してニュートラルだったのでは……?)

前回の記事にも書いた、

沙羅花とザシュニナの双方共に、人類以前に真道に執着してしまうと、一気に世界が狭くなってしまう気がするんですよね。

というのがこれでもかと最終回にも影響を及ぼしていましたね。主要人物があまりに狭い世界でやっているので、ときどき入る首相官邸シーンで(アッ、この人たち真面目だな……)って思ってしまった。臨機応変に動く役人の出てくる作品がもっと見たーい!

ユキカに関しては、その出生の理由や意味やきっかけにはだいぶ真道か沙羅花のキツい策略があったなというのと、16年間を捧げた花森への周囲からの当たりがだいぶキツいのと、ザシュニナにそこまで暴力振るわなくてもよくない?!? ボロ雑巾みたいに扱ったらかわいそうでしょ! というのを置いておけば、

ザシュニナを終焉させる装置として申し分ない働きをしたし、「進歩とは自分を終わりであるとせず、途中であるとすること」という新奇性があり魅力的な「正解」をザシュニナに告げる役割として素晴らしかったなと思います。

さらにいえば、ザシュニナは4次元より確実に上位なので真道の霊的なものと交信できそうなのにできず、一方で情報を超えるものであるユキカは多分できている、というのが残酷でいい。ユキカはザシュニナのことをそこまで悪いやつじゃないって評したけど、ユキカが圧倒的な人類にとっての善としてあの場に降臨したことで、ザシュニナの人類にとっての悪としての属性が強調されたのでなかなかな皮肉だったと思います。

ザシュニナの敗因は、真道に感化されすぎたことと、あまりに人類に対して免疫がなかったことでしょうか。もっと異方存在としてブレなければ真道をちゃっちゃと異方変換してズブズブな関係に持っていけたよね…… 真道そのへん芯があるから、内面が侵されるとかそんなに心配しなくてもよかったんじゃないかと思う。ザシュニナのほうがそのへん弱かった。

真道は双方を満足させる交渉官を自称していたはずなのに、暴力・自爆・後世に強制的に託す。って無理な手法をドンチャンやってしまうので、見ていてそれはないやろ感が強かったです。ユキカはあのあとすぐ消え去ってしまったけど、そりゃ消え去るよね。16年間そのためだけに育てられてきた道具としてあっさりと使い終わられたから、もう尽くしたくないんじゃないか。それにしても花森はかわいそうだと思う。花森の誕生日にだけ帰ってくるユキカください。

そしてユキカによって異方からもたらされた道具が無効化されたの、プリキュアが戦ったあと街が自動的に回復するやつみたいで笑ったんですが、ワムの恩恵を受けていた人々とかいるわけで、それなりに残酷なことなんじゃないかと思います。無効化されずに遺産をどう活用していくか牽引する人として品輪博士がいたらいいのにな〜って思ってたけど品輪博士は行方不明だし…… たぶん異方に……

そうやって不完全燃焼に苦しんでいるところへ「新たな彼方へここから行けるのだろうか」って旅詩が始まったので、行けなかったね…… って泣いてしまったんですよね。

沙羅花はこの収束を望んでたのかな?

ザシュニナに会いに行こうって人類は動き始めたみたいなラストだったけど、あれは最初で最後、一回きりのコンタクトだったんじゃない?

そもそもザシュニナはユキカに消滅させられたんじゃないの? 地球世界から追放されただけ?

疑問点が多くてだいぶもやっとしていますが、美しく見事な正解をくれるはずだった真道はもういないので、正解するカドはこれでおしまいなんだと思います。

SFアニメとしてほんとうに色々魅力的な部分もありつつ、途中で方向転換に置いてかれてしまって、個人的にはとても悲しい結末でした。

異方存在を力で排除しながら(あの場にいた人間以外は分からないのかもしれないけど)今度は我々が会いに行こうっていうのは、うまくまとめようとして的が外れている気がする。

あと、ノーマークだったチート美少女が出てくるのは物語内において一回で十分だったというのもあります。

部分部分では好きなところもあるアニメなんだけど…… と、複雑な気持ちで見終わりました。

いやでももっとSFアニメ見たいな…… 原案だけじゃなくて、演出・脚本も筋の通ってるのが……

(今もっともアニメ化してほしいSF、華竜の宮をよろしくお願い申し上げます)

 

華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)

華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)

 

 

 

華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)

華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)

 

 

活撃刀剣乱舞は30分の映画だった

活撃刀剣乱舞は30分の映画だった。

言ってしまえばその一言なのだ。

何よりタイトルカットまでの展開がアクション映画のそれである。プレゼンツが横並びの英字で映り込みながら、その背景で何者かをおいかけている疾走感。反撃で一度失速し、失速を打破しての再度の疾走。ひとまず解決し、次の展開が示されたところで重厚かつシックなタイトルカット。

その上アニメーション映画として遜色のない映像美。カメラワーク。ライトの使い方。演出。さすがはFateシリーズのあの美しくも壮麗な魔術描写を手がけている神様仏様ufotable様ですと五体投地したくなるような剣戟の、召喚術のエフェクト。まるで隙がない。

といっても素人が見て言っていることなので話半分に読んでください。だからそもそも隙も何もないんだけど、とにかくすごかった。

まず何より世界観の説明手法が好きだった。和泉守兼定と堀川国広の会話の中でそれぞれの立場と世界が明かされていく。

冒頭の追撃シーンでは和泉守のほうが堀川よりも先輩である関係性がその行動の差から伝わり、続いて恐らくはまだ顕現して間もない堀川に、和泉守が刀剣男士としてのやり方を教えていくようすが描かれる。

それはあまり言語ではやりとりされず、(特に火事のところなんかは)和泉守が繰り返し告げるのは、自分たちは考えず、役割だけを果たせばいいということばである。たしか、初めの追撃のときと、水田近くを荷馬車で移動してるときと、火事のときの三回かな?

刀剣男士たちが数の上で劣勢であるという戦況も、戦場では少ない側の方が一人一人のパフォーマンスを求められるので、彼らの剣戟を画面の中でより華やかに激しく見せるにあたってすごく生きていると思う。

それから、演出に関しては刀剣男士や時間遡行軍が降りてくるエフェクトが雷なのがすごくかっこよかった。刀剣男士は特に、雷で降りた刀が突き立って、桜の花びらが舞って顕現するという流れが本当に美しかった。ノーモーションで攻撃を仕掛ける薬研と蜻蛉切かっこよかったよね……。まず銃口から姿を見せてくる陸奥守にも参りました。かっこいいにもほどがある。

遡行軍を倒したときに赤い光が漏れ出すのもかっこいいんだけど、堀川の背後の敵を和泉守が貫いたときに、刀身に血がついてたのもそれはそれであるんだって思った。その前に敵を倒しきった堀川がぐわって汗をかいてたのも、ジブリ的な生きて動いてる人の演出っぽくてよかった。堀川は視聴者の視線に近いキャラクターとして置かれてるからなのかな。和泉守は今回堀川と比べると視聴者から遠めで、人っぽくなかった気がする。遡行軍に峰で殴られたときはちょっとそうだったかも。

始めに城の屋根に遡行軍を見つけるシーンがまた良い。「夜ってこんなに静かだったっけ」っていう堀川の人のかたちになったからそう思っているのか、それとも異様なほど静かな夜なのか曖昧な台詞も素敵だし、そのあとにキュッと兼さんの視線の先がクローズアップされて、距離のあるままに望遠鏡の先の光景のように描写されるので、音声が入らないんですよね。そういう演出がまた最高…… 好きです…… 

和泉守が火事の冒頭で人でなしっぽく描かれながらも、女の子を救うところでリカバリーされるのもいいよね。

キャラクターとして明確に現れる審神者も、どんな感じなのかなと思ったら、刀剣男士をさん付けで呼ぶところに加えて、「さすがは皆さんです」のニュアンスにより、私の中では一瞬でAPHの日本さん的性格にカテゴライズされてしまった。今後どんなキャラクター性なのか明かされていくのが楽しみ。

薬研の名が名乗られず、呼ばれなかったのがちょっと気になってます。来週わかるのかな? 説明しきらないままに話が進んでいくのも、どっしり腰を据えて作りましたって感じがあってとてもお気に入りです……(勝手に)最初の埋蔵金(?)とかもそれ。あれはマクガフィン(話の展開上中身の詳細が何かは特に問題ではないけれども単に重要な物品)だったのか、それとも何かの伏線になっていくんでしょうか。

エンディングが歌入り映像入りから、インストゥルメンタルにキャストクレジットになったのも映画感を増していたと思います。書籍や巻物が侵食されていくのがまた歴史を損なわれていく描写としてロマンだった。

あと、予告がゲーム画面パロディなの、コメディのようですごく嬉しい演出だった。

30分ずっと、目にしている情報の密度に満足したままだったのが、すごく幸せでした。

噂ではまず、3話までぎっちりこのクオリティが続くということなので、とっても楽しみです。

まだ少し先の『正解するカド』最終回へ向けて

正解するカド 最終回 絶対正解してほしい

(以下の文章には正解するカド11話までのネタバレを含みます)

正解するカド、原案が野崎まどということで見始めたアニメです。

序盤、正体不明の謎の物体vs.日本政府! 海外からの圧力! 有能な役人! シン・ゴジラが良かったからこういう作品が今後増えるのかなあ嬉しいなあ! とか

交渉官?! 華竜の宮を呼べ! オープニング最高じゃない? 華竜の宮アニメ化するときもこんな感じでやってほしい…… カド死ぬほど楽しいな……みたいな感じで政府と異方、真道とヤハクィザシュニナ、沙羅花と真道の行く末をとてもわくわく見ていました。

お祭り回とか沙羅花のテンプレ色強いキャラクターにちょっと、ん? ってなりながらもとても楽しんでいたんですが、その引っかかりが明確に表れてきたのが10-11話です。

それまでに関しては、沙羅花の実家訪問は彼女なりの真道への「交渉」として成果を出していたり、実は沙羅花は異方存在だったというのも9話の真道がザシュニナに消されそうになる展開へのカウンターパンチとして最高にアツかったり、10話の冒頭の地球の歴史シーンとかもう大正解だったりしていると思っているんですが、その大正解からの10-11話の沙羅花と真道の恋愛展開には大正解と掲げた札をサッと机の下に引っ込めるしか、ない。カドには正解されたい! されたいんですけど! この展開は何なのだ!

SF的世界観において、人類存亡レベルの話をしているときに前触れなく主要キャラクターの恋愛展開が挟まるとキレてしまうんですが私の心が狭いのかな?

沙羅花は人類を保護したい異方存在で、
真道は悩みながらも人類の尊厳を語るにあたり考えの近い沙羅花に引き寄せられてて、
ザシュニナは人類を自分の求める正解に引き寄せたくて真道にはその第一人者になってほしいと希求している

……というそういう関係にあると思っているんですが、ここでザシュニナが真道に執着するのはまあわからんでもないけど、沙羅花はもっとニュートラルに人類に接してほしかった…….。あるいはザシュニナがもっとニュートラルで良かったのかもしれない。

双方共が人類以前に真道に執着してしまうと、一気に世界が狭くなってしまう気がするんですよね。

読まなくていいコメント(まあ11話Bパート早々のあの目のハイライトがない真道くんがたくさん倒れてるシーンはドラマ版ハンニバル的ヤバさがザシュニナから漂ってて好きです。それと複製真道くんも真道くんなんだって工場で真道くんが言ったシーンで、それが真実なら桟橋でザシュニナに声をかけた複製真道くんはほんとに切ない存在なんだなって思えてきて好き……)

ただ、SFでメインテーマが人類全体の話になる作品って、世界観とエモさのバランスが難しいと思います。カドはほんと前半のバランス感覚が好ましかったので、後半になってエモさが前面に出てきていてひやひやする。

 

nizista.com

SFだけだと男性ファンになってしまいますが、男女の恋愛や男性キャラクター同士の掛け合い的な要素も入ってくるので、女性にも楽しんで見てもらえると思っています。実写のドラマのように見やすいのではないかと。

そんな中でこの記事を読んで、ドラマの世界だけじゃなくてアニメの世界でも、男性ファンはジャンル・ストーリーでつかめ! 女性ファンはキャラ・ラブ展開でつかめ! みたいな振り分けされてるんかーい! ってキレてしまったけど、実写ドラマ層からの流入をはかっている文脈でのコメントとしては正当なのかもしれないのかな……?(正当じゃない気がするけど……)(ていうかそもそもそういう流入を図るためになにか方策をとってるんです……?)

私はいち女性ファンですけど、突然ぶち込まれるテンプレキャラや、男女の恋愛展開や、男性キャラクターの絡みが好きなんじゃなくて、ジャンルやストーリーの作法に則った上でそういうテンプレート的なものが輝く作品が見たいです! そういうのが好き!

テンプレに落とし込まれていても理由付けや伏線があって魅力的なキャラであることもあるので、そっちを強化してくれたらいいのになと思います。うーん……

まだ11話までしか見られていない地方民なので、最終回で絶対今よりもっと面白くなってほしい気持ちを捨てずにいます…… 11話後の次回予告で、主人公と悪役が衝突してヒロインが悲鳴をあげるテンプレートに気を失いそうになったんですが、最終回絶対面白いといいな…… 頼む……

メイキング:Microsoft Word 2010で小説同人誌の表紙を作る(PDF出力)

#字書きによる表紙作成ワンドロ ではPhotoshop Elements 6.0で作成したのですが、そもそもが表紙作成のハードルを下げよう! という趣旨の企画であるということで、Microsoft Word 2010ではどこまでできるのか、試してみました。

ちなみにエレメンツのほうのメイキングはこちら。画像の作業を始める前の英題案出しや、写真素材の選び方についてのブレインストーミングもリンク先の記事の前半にあります。

wtrdr.hatenablog.com

まずは結果をご覧ください。

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エレメンツ以外の有料部分であったロゴの円形素材と、タイトルの和文フォントは代用しています。

影の付きかたが違うのと、英字のぼかしが足りないのが差異かなと思います。

 

◎以下、Wordによるメイキングです。

 

Wordを開きます。

 

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(1)用紙設定
断ち切りが3mm、背表紙が4mmの文庫サイズの表紙データを作るので、
幅220mm=3+105+4+105+3
(断ち切り+表紙+背表紙+裏表紙+断ち切り)
高さ154mm=3+148+3
(断ち切り+高さ+断ち切り)
の220mm×154mmの用紙設定にします。

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(2)トンボ設定
続いて余白の上下左右を3mmの位置に設定します。このトンボ外は断ち落とされます。

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(3)背表紙
挿入タブから図形の四角を作ります。

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背表紙の色で塗りつぶし、枠線を線なしにします。図形ツールのサイズで背幅+1mm程度の幅、高さ154mmに設定し、配置を「左右中央揃え」「上下中央揃え」にします。

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(3)写真素材
挿入タブから図を挿入します。写真素材は Unsplash | Free High-Resolution Photos さんから!

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図ツールの書式から位置を左上に設定します。続いて、その他のレイアウトオプションから位置の基準を余白ではなくページに設定します。

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トリミングで表1に収まるサイズに調整します。

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図を背面へ移動します。

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(5)写真の色味調整
図形でオレンジ色の四角を作ります。

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図形の塗りつぶしからその他の色の設定をクリックし、透過性の数値を調整します。

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今回は最終的に90%位にしました。

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比較

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(6)英字
挿入タブからテキストボックスを作ります。

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描画ツール内で枠線と塗りつぶしを消し、文字列の方向を縦書きにします。

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フォントサイズや行間、文字色を設定します。

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ホームタブからフォントを開き、左下にある文字の効果を開きます。

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文字の塗りつぶしで透過性を設定します。今回は60%程度。

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文字が半透明になりました。

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(7)タイトル
先ほどと同様テキストボックスを作り、背景の塗りつぶしと枠線を消し、文字サイズや色を調整して配置します。

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ホームタブで影→外側→中央を選択し、文字に影を付けます。

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影有り無しの比較。(「き」だけ影を外してみました)

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(8)ロゴ・著者名・文庫名
タイトル同様にテキストボックスで作り、影を付けます。

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(9)円形ロゴ
挿入タブから図形で円を作ります。

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塗りつぶしを消し、枠線を白にします。

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ロゴ内の文字が収まるサイズに調整。

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コピペで円を増やします。

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こちらは実線ではなく破線に設定します。

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右上のサイズで数値をいじり、少し大きめに設定します。

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完成した二重の縁でロゴ内の文字を囲みます。

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(10)アクセント文字
タイトルのアクセント文字を暗い色で作ります。これもテキストボックス。

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ホームタブの光彩から、その他の色の光彩で白を選択します。

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さらに、光彩のオプションで透過性を調整します。

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ぼんやりとした白い光彩付きの文字ができました。緑の丸を操作して傾きをつけます。

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「が」と「く」も同じ要領で作ります。

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(11)背表紙の文字
縦書きのテキストボックスでタイトル・著者名・文庫名を入れます。

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(12)表4のパーツ
バーコード・ISBNと価格・あらすじ・文庫名をテキストボックスで入れます。
バーコードはC39HrP48DhTtというフリーフォントです。

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あらすじと文庫名のあいだに挿入タブから図形の直線を入れます。二重線で破線を選択。

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(13)PDF作成
名前を付けて保存でPDFを選択し、保存。

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PDFデータができました!

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完成です! やったー!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

※ちなみに、ジャンル/学生アリスというのは著・有栖川有栖の青春ミステリ小説で、現在『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』『女王国の城』の四作が出版されています。『月光ゲーム』と『孤島パズル』はコミカライズもされています!
月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

 

 

とても丁寧な筆致で描かれた青春もので、あっと驚く結末が待っているミステリなので、こんな場で言うのもあれですが、ぜひ! 何卒! お読みいただければと思います。

原作小説もコミカライズも、Kindleでも読めます。どうぞよろしくお願いしますー!
 

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