メイキング:Microsoft Word 2010で小説同人誌の表紙を作る(PDF出力)

#字書きによる表紙作成ワンドロ ではPhotoshop Elements 6.0で作成したのですが、そもそもが表紙作成のハードルを下げよう! という趣旨の企画であるということで、Microsoft Word 2010ではどこまでできるのか、試してみました。

ちなみにエレメンツのほうのメイキングはこちら。画像の作業を始める前の英題案出しや、写真素材の選び方についてのブレインストーミングもリンク先の記事の前半にあります。

wtrdr.hatenablog.com

まずは結果をご覧ください。

f:id:wtrdr:20170327214059j:plain

エレメンツ以外の有料部分であったロゴの円形素材と、タイトルの和文フォントは代用しています。

影の付きかたが違うのと、英字のぼかしが足りないのが差異かなと思います。

 

◎以下、Wordによるメイキングです。

 

Wordを開きます。

 

f:id:wtrdr:20170326234222j:plain


(1)用紙設定
断ち切りが3mm、背表紙が4mmの文庫サイズの表紙データを作るので、
幅220mm=3+105+4+105+3
(断ち切り+表紙+背表紙+裏表紙+断ち切り)
高さ154mm=3+148+3
(断ち切り+高さ+断ち切り)
の220mm×154mmの用紙設定にします。

f:id:wtrdr:20170326234256j:plain


(2)トンボ設定
続いて余白の上下左右を3mmの位置に設定します。このトンボ外は断ち落とされます。

f:id:wtrdr:20170326234311j:plain

f:id:wtrdr:20170326234320j:plain


(3)背表紙
挿入タブから図形の四角を作ります。

f:id:wtrdr:20170326234329j:plain


背表紙の色で塗りつぶし、枠線を線なしにします。図形ツールのサイズで背幅+1mm程度の幅、高さ154mmに設定し、配置を「左右中央揃え」「上下中央揃え」にします。

f:id:wtrdr:20170326234341j:plain


(3)写真素材
挿入タブから図を挿入します。写真素材は Unsplash | Free High-Resolution Photos さんから!

f:id:wtrdr:20170326234352j:plain


図ツールの書式から位置を左上に設定します。続いて、その他のレイアウトオプションから位置の基準を余白ではなくページに設定します。

f:id:wtrdr:20170326234409j:plain


トリミングで表1に収まるサイズに調整します。

f:id:wtrdr:20170326234421j:plain

図を背面へ移動します。

f:id:wtrdr:20170326234429j:plain


(5)写真の色味調整
図形でオレンジ色の四角を作ります。

f:id:wtrdr:20170326234444j:plain


図形の塗りつぶしからその他の色の設定をクリックし、透過性の数値を調整します。

f:id:wtrdr:20170326234605j:plain


今回は最終的に90%位にしました。

f:id:wtrdr:20170326234546j:plain


比較

f:id:wtrdr:20170326234621j:plain

f:id:wtrdr:20170326234627j:plain


(6)英字
挿入タブからテキストボックスを作ります。

f:id:wtrdr:20170326234641j:plain


描画ツール内で枠線と塗りつぶしを消し、文字列の方向を縦書きにします。

f:id:wtrdr:20170326234651j:plain


フォントサイズや行間、文字色を設定します。

f:id:wtrdr:20170326234703j:plain


ホームタブからフォントを開き、左下にある文字の効果を開きます。

f:id:wtrdr:20170326234713j:plain


文字の塗りつぶしで透過性を設定します。今回は60%程度。

f:id:wtrdr:20170326234727j:plain


文字が半透明になりました。

f:id:wtrdr:20170326234737j:plain


(7)タイトル
先ほどと同様テキストボックスを作り、背景の塗りつぶしと枠線を消し、文字サイズや色を調整して配置します。

f:id:wtrdr:20170326234748j:plain


ホームタブで影→外側→中央を選択し、文字に影を付けます。

f:id:wtrdr:20170326234800j:plain


影有り無しの比較。(「き」だけ影を外してみました)

f:id:wtrdr:20170326234813j:plain


(8)ロゴ・著者名・文庫名
タイトル同様にテキストボックスで作り、影を付けます。

f:id:wtrdr:20170326234824j:plain


(9)円形ロゴ
挿入タブから図形で円を作ります。

f:id:wtrdr:20170326234835j:plain


塗りつぶしを消し、枠線を白にします。

f:id:wtrdr:20170326234918j:plain


ロゴ内の文字が収まるサイズに調整。

f:id:wtrdr:20170326234847j:plain


コピペで円を増やします。

f:id:wtrdr:20170326234941j:plain


こちらは実線ではなく破線に設定します。

f:id:wtrdr:20170326234956j:plain


右上のサイズで数値をいじり、少し大きめに設定します。

f:id:wtrdr:20170326235005j:plain


完成した二重の縁でロゴ内の文字を囲みます。

f:id:wtrdr:20170326235013j:plain


(10)アクセント文字
タイトルのアクセント文字を暗い色で作ります。これもテキストボックス。

f:id:wtrdr:20170326235022j:plain


ホームタブの光彩から、その他の色の光彩で白を選択します。

f:id:wtrdr:20170326235032j:plain


さらに、光彩のオプションで透過性を調整します。

f:id:wtrdr:20170326235044j:plain


ぼんやりとした白い光彩付きの文字ができました。緑の丸を操作して傾きをつけます。

f:id:wtrdr:20170326235102j:plain


「が」と「く」も同じ要領で作ります。

f:id:wtrdr:20170326235114j:plain


(11)背表紙の文字
縦書きのテキストボックスでタイトル・著者名・文庫名を入れます。

f:id:wtrdr:20170326235129j:plain


(12)表4のパーツ
バーコード・ISBNと価格・あらすじ・文庫名をテキストボックスで入れます。
バーコードはC39HrP48DhTtというフリーフォントです。

f:id:wtrdr:20170326235140j:plain


あらすじと文庫名のあいだに挿入タブから図形の直線を入れます。二重線で破線を選択。

f:id:wtrdr:20170326235154j:plain


(13)PDF作成
名前を付けて保存でPDFを選択し、保存。

f:id:wtrdr:20170326235205j:plain


PDFデータができました!

f:id:wtrdr:20170327001523j:plain


完成です! やったー!

f:id:wtrdr:20170327001431j:plain

最後までご覧いただきありがとうございました。

※ちなみに、ジャンル/学生アリスというのは著・有栖川有栖の青春ミステリ小説で、現在『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』『女王国の城』の四作が出版されています。『月光ゲーム』と『孤島パズル』はコミカライズもされています!
月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

 

 

とても丁寧な筆致で描かれた青春もので、あっと驚く結末が待っているミステリなので、こんな場で言うのもあれですが、ぜひ! 何卒! お読みいただければと思います。

原作小説もコミカライズも、Kindleでも読めます。どうぞよろしくお願いしますー!
 

ご質問・ご意見などありましたらツイッターアカウントに直接か、固定ツイートのお題箱からお知らせください。

今回のワンドロに関するツイートのツリーはこちらから繋がっています。

ご参考までに。